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大谷光彦のブログ

㈱ヒューマニーズの会長と一般社団法人組織・人能力開発研究所の代表理事をしている 大谷光彦のブログです。

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クラシックは即興音楽だった 

この前の週末、小曽根真と日本フィルハーモニーの「ラプソディー・イン・ブルー」を聴きに言った。

ガーシュインだけなら、“クラシックの顔をしたジャズ”なんだけど、モーツアルトのピアノ四重奏もやったので、十分クラシックの香りがした。やはり小曽根はたいしたもんである。

僕にとってどこが“たいしたもん”か、というと、2つのことが挙げられる。1つは、クラシックの左手の動きはジャズのようにコードを抑えることがないので、右手とほぼ同じ動きをする。それにチャレンジして、ものにしていること。そしてもう1つは、アドリブが一切なく(カデンツアという形でのアドリブはあるし、バッハなんかもそういう要素をもともと持っているんだけど、世に言う近代のクラシックは皆、譜面に従って間違いなく同じ音符を奏でることが、基本的に義務付けられている)、曲を譜面に沿って正確に弾くということにチャレンジして、それを十分ものにしていること。

モーツアルトの第三楽章は、しっかりジャズ風のシンコペーションが自然に出ていて(出てしまって?)チェロの人なんかニヤニヤしながら合わせていた。なんていうか、“音楽が好きなら、クラシックだってそれ特有の楽しさがある”ことを証明してくれたパフォーマンスだったことが一番であろう。そういうことをたぶん本人も本当に意図し、そして聴衆に感じさせてくれたこと、が感動した理由だと思う。

昔、バッハをジャズでやって有名になったピアニスト(オイゲンキケロとかジャックリューシェ)などもいたが、全然違う味がする。「生」で聞いてみて、はじめて判るものもあると思うが、彼の姿勢は全然そういう「スキル」の世界では語れない領域のことを演じていたように思う。

モーツアルトなんかも、本来は即興演奏が大得意であったわけで、この場合もジャズということで括るのではなく、「即興の楽しみ」ということで理解すれば、音楽家として自然なことなんであろう。でもクラシックの演奏家では、なかなかそんな人を見たことがない。そういう意味では、彼がジャズで培った「即興」の部分をクラシックでやっただけ、という見方の方が当っているのかもしれない。

とにかく楽しかったし、音楽は楽しいものであるということを改めて正面から自然に、かつ肉体的に感じさせてくれたコンサートであった。クラシック的雰囲気に慣れた聴衆が、日本ではなかなか見せないスタンディング・オヴェーションで演奏を称えたあの雰囲気を作り出す力は、そういうことなのではないか、と。かれのビッグバンドは、できるだけ聞きに行くようにしているけど、今度はクラシックも聞きに行かなければならないと思った。

とにかく、日本に今までいなかった新しいタイプのミュージシャンが登場したことだけは間違いない。
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カテゴリ: プライベートブログ

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Posted on 2008/07/14 Mon. 10:45    TB: 0    CM: 0

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