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大谷光彦のブログ

㈱ヒューマニーズの会長と一般社団法人組織・人能力開発研究所の代表理事をしている 大谷光彦のブログです。

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心臓のことを考えることが一番心臓に悪い 

福岡伸一の「動的平衡」というのを読み終わった。シグナチャーに

連載していた記事が面白くて、彼の本を知った。


細胞内に別の生き物であるミトコンドリアがいて、別のDNAを持っている。

それが人間の細胞(植物にももちろん光合成をするミトコンドリアがいる)と

共生している。受精のとき、精子からはミトコンドリアは卵子に入らないので

ミトコンドリアは母親からのみ受け継がれる。だから「男」は母のミトコンドリア

DNAを子に伝えるだけの悲しい存在・・・


最古の霊長類は700万年前に現れ、「最も古い現代人」は16万年前の

ホモサピエンスだそうだ。そして母系伝承されるミトコンドリアDNAを調べて

行くと、アフリカにいた一人の女性に至ると。これを「ミトコンドリア・イブ」と

呼ぶ。700万年もの飢餓の歴史を生き抜いてきた人類が脂肪を

ため込むメカニズムを獲得したわけで、カロリーを減らすことが如何に

大変(いや、抵抗不能なほど当たり前な能力)かということがわかる。


とにかく面白かった。人間は数か月ですべての細胞が入れ替わる。

つまり分子レベルでいえばもう前の自分ではまったくなくなっていると

いうこと。


常に細胞は死に、入れ替わりに新たな細胞を生む。一瞬たりともそれが

静止しない。これを彼は「動的平衡」と呼んでいる。


彼はそれゆえに、臓器移植とか生殖医療とかは、人間をあたかもパズルの

ような静止体としての考えに立っていると懸念を示している。それらの行為

が簡単に実現するほど人間の体は単純ではないと。


あたかも川の流れのように膨大な数の細胞が常に死と再生を繰り返して

いていて留まることがない。

基礎代謝はそれに必要なエネルギーの量。毎日食べなければならない

のはその動的状態を継続するため。生命とは変わり続けていること自体

を言うと。


そんな悠久の時の流れを細胞とそれを構成する分子が語っている。

そんなものから構成されている人間って何なんだろうか・・・


そう考えると、「自分」って一体何を指しているのか?「自分の悩み」って

一体何のことを言っているのか?本当に不思議な感覚を持ってしまう。


心臓がいつもひとりで絶え間なく動いていること、その不思議さを考えること

が一番心臓に良くないという。つまり自分の体のその不思議さを考える

ことがもっとも自分らしくないことになるのかもしれない。


神秘的な自然の崇高さと、人類が一人の女性から脈々と受け継いで

きた種としてのしたたかさ。どんなに足掻いても自分とは違う次元で

”自分が生きている”という「あっぱれさ」を思った。生と死と、そして

「性」を考えさせられた。

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Posted on 2009/05/20 Wed. 00:32    TB: 0    CM: 0

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