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大谷光彦のブログ

㈱ヒューマニーズの会長と一般社団法人組織・人能力開発研究所の代表理事をしている 大谷光彦のブログです。

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酒を酌み交わしてみたかった小林繁 

小林繁氏が57歳の若さで急死したというニュースに驚きました。そして古い記憶がよみがえってきました。もちろんあの江川事件です。でも、人の死に意外な死と意外でない死というのがあるとすると彼の死はあまり意外ではなかった。きっとあの江川事件のときの印象と通じるものがあったからではないかと思っています。


江川と小林の電撃的なトレード事件は、当時ドラフト制度のことを正確には知らなかったけれど、一体どういうカラクリになっているんだろうと興味を持ちましたが、スポーツの世界も所詮ビジネスであり政治なんだ、とわかったような顔をしてしゃべっていたことを、少し恥ずかしく思い出します。それは自分でも薄っぺらな感想だと気づいていたからだと思います。


でも、今思うと一番気持ちに引っかかったことは、江川と小林の人間の違いと言うか、人種の違いのようなことだったように思います。なんか世の中の2つの派閥の代表選手であるような気がしていたからです。


気持ちに迷いがあっても短期間で結論を出せ、自分の利益確保に対して曇りなく直線的に動けるタイプと、その反対に、いろんなことが気になって結果として利用されやすいタイプ。もちろん前者の方が社会的に成功する確率は高い。後者は優しい人です。優柔不断でもあるかもしれません。敵は少ないかもしれませんが「部下とか手下」も少ないでしょう。でも長く気持ちよく思い出してもらえる人。江川は前者で小林は後者です。


この感覚と通じる記憶がひとつあります。マレーシアで仕事をしていたときの弁護士の話です。彼は中国系マレーシア人で今でも付き合いのある随分親しい友人ですが、あるとき「日本人はなんであんなに組織で動くのが上手いのか?一対一の交渉だとまず中国人が勝つ。でも組織で交渉すると大概日本人が勝つ。」と言うのです。


僕はひとり対ひとりでやる喧嘩とか交渉の場合(喧嘩と交渉を一緒にするのは問題ですが、利害が対立しているという構図を分かり易くするために許してください)、”羞恥心が少ない方が強い”と思っています。特に自分個人の利害しかないような場合はそうだと思います。ところが会社とか家族とか、”自分を含めた”組織(自分が含まれていない場合はちょっと違う)の利害を守るための交渉ごとになった場合は、むしろ羞恥心の多いタイプの方が強い。そう思う理由を説明すると長くなるのでまたの機会にしますが、江川は前者で弁護士の言う中国人型、小林は後者で日本人型だと思います。


彼の急死があまり意外ではないと言ったのは、後者のタイプの死はある意味、死と言う現象がその人自身に組み込まれている自然な現象ではないかと思わせるものがあるように思うからです。「他人に道を譲る」というような現象がなぜか身の回りに起こってしまう。それは動物的な生命力から言えば弱いタイプとも言える。


ちょっと小林さんに申し訳ない言い方になっているかもしれませんね。そんなに分かりやすく分類されたらたまったもんじゃあないですね。たぶん小林さんを他の人と比べたら前者になるかもしれません。でもあの江川事件の江川と比べたらやはり後者のタイプに見えていました。だから酒を飲んで美味しいのは小林さんですね。


57歳の若さというのも彼らしい気がします。江川が「すまない」と一生思うだけのものを残した事件だし、日本人の多くがそう感じ、それに抵抗しなかった小林さんと美味しい酒を飲みたいと思ったと思います。もうそれも古い話になりましたが。


冥福をお祈りします。

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Posted on 2010/01/21 Thu. 09:53    TB: 0    CM: 0

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