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大谷光彦のブログ

㈱ヒューマニーズの会長と一般社団法人組織・人能力開発研究所の代表理事をしている 大谷光彦のブログです。

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魔性の黒 

先週のある日、すこしオフィースを抜け出して、すぐ近くの三井美術記念館でやっている「柴田是真 特別展」を覗いてきました。彼は江戸の後期から明治前期に活躍した絵師でかつ漆工芸作家です。以前テレビで海外のコレクションが紹介されていたときから興味を持っていたのですが、このたびアメリカのエドソンコレクションが日本に来て、この展覧会になったということで、近いこともあり行ってきたと言う訳です。


僕は絵画にはあまり詳しくなく、好きな絵はだれの絵であれ好きだし、あまり好きになれないものはそれがどんな大家の絵でも関心がなくなってしまう人間です。絵より、どちらかと言うと陶磁器、特に磁器が好きかも知れません。


柴田是真は本当にジャンルとしては幅の広い作品を残しています。ユーモアのある題材も多くてその作風も好きで、絵で言えば画帖(小さく折りたたんだ紙に絵が描いてあり、めくりながら見られるようになっている)なんかたまらなく好きです。でもやはり蒔絵なんかの漆の作品が絶品です。特に多くあった印籠の作品はどれも素晴らしかった。


柴田是真のことを書きたかったわけではありません。漆のことを書きたかったのです。そもそも絵画より陶磁器が好きな理由は、よくはわからないけどたぶん立体であると言うことがありそうです。漆も漆絵なんかも含めやや立体性があります。蒔絵なんかはそもそも重箱なんかに描かれているものが多く、立体の作品です。


でもやはりあの色とか艶ですかね。好きなところは。特にあの黒の色は漆独特の色で、国際的に本当に自慢できる奥深い”日本の色”ですね。他に出しようのない色というか、それ自体が”色の芸術”です。非常に工程が複雑で技術的にも相当長い期間の修練が必要です。技術ありきの色です。黒という色は非常に哲学的な色です。そして幅のある色です。だから表現力に富んでいる。吸いこまれそいうな魔性を持っている。だからたぶんその質に敏感になってしまうかもしれません。


会場はウィークデイであるにもかかわらず、結構込んでいてなかなかゆっくり見られなかった。でも本物はやはりすごいと思いました。彼は、誤解を恐れずに言えば、偉大なる職人ですね。技術を磨くこと、人よりすぐれた作品を作ろうとする職人としてのプロ意識。そういうものが積み重なってああ言うすばらしい芸術として残ったんだと思います。久しぶりに「職人」の技、いや「名人」の技に触れられた幸せな時間でした。やっぱり芸術家より”名人”の方が好きですね。

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Posted on 2010/01/26 Tue. 12:16    TB: 0    CM: 0

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