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大谷光彦のブログ

㈱ヒューマニーズの会長と一般社団法人組織・人能力開発研究所の代表理事をしている 大谷光彦のブログです。

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砂時計と音楽 

ラルゴ、レント、アダージョ、アンダンテ、モデラート、アレグレット、アレグロ、ヴィヴァーチェ、プレスト。



いきなり訳のわからない単語の羅列ですが、これはクラシック音楽で使う演奏の速さを指示する速度記号で、だんだん速くなっています。メトロノームが登場するまではこういうやや曖昧な速度記号で演奏されていました。



時計も特にデジタルが登場してから時に追われるような気になったように思いますが、音楽の世界における「時間」の大切さを今更ながら教えられる本に出会いました。



この連休中手に取った本の中に「新しい音を恐れるな」というのがありました。現代音楽をメインの題材にしながら「音楽と時」、「音楽と色彩」など、音楽にまつわる実に興味深く示唆に富んだ内容のエッセイでした。読み終わる前に連休が明けてしまったので、まだ途中なのですが、文体にも香りがあって、立ち上がってくる繊細な感受性とユニークな着想に驚かされます。



著者はインゴ・メッツマッハーというドイツ人の指揮者で、現代音楽に造詣が深い人です。彼のことはこの本を読むまで知りませんでした。現代音楽は心に余裕がなければなかなか味わい深く聴くことができません。ドビュッシーやサティーあたりまでは大好きで、Jazzで言えばキースジャレットあたりの世界に限りなく近い。でもメシアンとかケージになってくると入って行けなかった。武満徹でさえ途中までだった。そもそもあの絵画のような「楽譜」で立ち止まってしまいます。でもメッツマッハーは、マーラーなんかの話を織り交ぜながらいろんなトピックを自由自在に展開している。雨の降る静かな日にでもこの本を読みながら登場してくる作品をじっくり聴いてみたくなりました。



やはり、心地よく聴けるのはとりあえずこの「ジムノペディ」からになりますね。この美しいメロディーは、”それ自体で完結している”と書かれています。




音楽の特徴のひとつが”始まりと終わりの概念”であると言っています。音楽は確かに音楽絵画などにはない「時と一体になった芸術」です。そして「時間」というものの危うさ、刹那さや、記憶の中に占める「音楽的芸術の位置の特異さ」など実に面白い内容です。



現代音楽もそう考えると、伝統的な形式美のアンティテーゼとして不可避的に要求される価値に正面から向き合うしかないという意味で、トラディションというものの善し悪しを「批評する耳」を求めているのかもしれませんね。



良い本に出会えて幸せな気分になり、つい紹介したくなりました。







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Posted on 2010/05/07 Fri. 21:24    TB: 0    CM: 0

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