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大谷光彦のブログ

㈱ヒューマニーズの会長と一般社団法人組織・人能力開発研究所の代表理事をしている 大谷光彦のブログです。

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NPT会議とオキシトシン ~進化が間に合わない人類~ 

最近読み終わった推理小説で、久しぶりに一気読みしたくなるような本がありました。ブレイク・クラウチの「ウェイワード -背反者たちー」(ハヤカワ文庫)。これはこの前作、「パインズ -美しい地獄ー」と言うのがあって、それを先に読んだ方が解りやすいのですが、そっちは少しバイオレンスが過剰で、ストーリーを追いながら早読みOKだと思います。

この物語は人類が滅んだ2000年後の地球の話で、荒唐無稽と笑い飛ばせない何とも言えないリアリティーがある怖い話です。少し辻褄のあっていない箇所もあるけど、考えさせられる事多し。

昨日の日経の「春秋」に、元南アフリカ大統領のネルソン・マンデラの言葉、「人は憎むことを学ぶ。ならば愛も学べるはずだ。」というのが紹介されていました。そして190カ国が参加してニューヨークで開かれていたNPTの再検討会議が1カ月に及ぶ議論の末、3カ国の反対で決裂したというニュースが入ってきました。

またこれも本の話ですが、10年くらい前に話題になった「利己的な遺伝子」のリチャード・ドーキンスの講義録で「進化とは何か」というのを並行して読んでいました。

人は所詮進化の結果今に至っている“動物”で、競争を勝ち抜く利己的な遺伝子によって現在の繁栄を謳歌している訳です。ドーキンス流に言えば、「マンデラの言う“愛を人類が学ぶ”には、愛という“スキル”が最も種を長続きさせる技術であるという進化が必要」という事になります。

核不拡散条約が機能していないことと、未だに戦争がない世界が実現していないことは、“他人と共存することが最大の利益である”という「愛」という技術の評価がDNAの中で優位になっていないからなのでしょう。

出産で子宮が収縮するときや授乳するときに出るホルモンにオキシトシンというものがあります。「幸せホルモン」とも呼ばれているようです。例えばダンスをしたりハグしたりしても出るようです。DNAのメカニズムの中に、他人を受容したり自分が守られていると感じた時に出るホルモンで、ストレスを解消する効果があります。

動物としての種が残って行く上で、このオキシトシンという武器が必要であり、人間も大いにその効能を利用して繁栄してきたことでしょう。

そいう意味ではブレイク・クラウチの本のメッセージは、「人類は2000年後に滅んでいる。進化は失敗した。でもその2000年前の今の人間が、“それでも愛こそが生きるために最も必要なものだ”ということを、その2000年後に再確認している」って言うようなもので、結構ややこしい本なのです。

恋愛とか親子などの個と個が結びついて命をはぐくむメカニズムはあるのに、人が群れになって国家や民族になってその利害で対立するときの解消にオキシトシンは使えないのか?

人はそういう形で進化していない。あるいは「まだそこまで進化していない?」

クラウチの本は、「人は進化に失敗して結局滅ぶ」というもの。

人工知能が人を滅ぼすという説と、人の生活を利するという説
「ドローン」が生活を便利にするが事故を起こしてたりプライバシーを犯すという現実
子供を殺す母親にはオキシトシンが働かないのか、という問題

便利は不便になること? 進歩は後退? オキシトシンで核兵器は無くなる?

「進化が間に合わない人類」  そんなことを考える、ちょっと時間がある日曜日でした。
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カテゴリ: プライベートブログ

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Posted on 2015/05/24 Sun. 12:38    TB: 0    CM: 0

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