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大谷光彦のブログ

㈱ヒューマニーズの会長と一般社団法人組織・人能力開発研究所の代表理事をしている 大谷光彦のブログです。

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有名になった普通の人  

チリの炭鉱の落盤事故からの33人全員の救出のことが連日報道されていると思ったら、今度は中国での反日デモの報道がその上にかぶって、チリの話がすでに霞んできていますね。忙しいことです。


チリの話が世界的な美談であることは間違いありません。但し、CNNなんかの報道に比べると日本の報道はやや薄い感じがします。何でだろうと少し気になりました。


ひとつには、欧米にとっての南米は日本にとっての南米より地政学的にも、また心理的にも近いのではないかと言うこと。それとキリスト教文化という共通性があるので、日本人とは死生観の違いなんかもあるのではないか・・・そんなことを漠然と考えていました。


この事件で、「アンデスの聖餐」という映画になった、アンデス山脈に不時着したの1972年の飛行機事故のことを思い出しました。生還した何人かが死者の人肉を食べて生き延びた事件です。また当時人肉を食べても生き延びたことへの賛否両論が渦巻いていて、自分だったらどうしただろうということも考えた記憶があります。


生き残った精神力というような部分や、放置されていた時間なども今回の事件との共通点が多いと思ったし、飛行機はウルグアイ空軍のものだったけど、墜落したのは同じチリでした。


ただ違うのは、今回は生存発見からLIVE中継され、食糧も水の補給されたこと。飛行機事故の方は自力で山越えをして生存を伝えるまで誰も生きているとは思わなかったこと。しかし、何といっても決定的な違いは「死者の肉を食べたこと」でしょう。


今回は手放しに良い話。しかし飛行機事故の方は”カニバリズム”という人肉嗜食の話が伴っていて、キリスト教と肉食文化を持った欧米の人達にとってこの行為は非常に宗教・哲学的に奥の深いデリケートな要素を持って報道されたのです。その意味でも今回の事故は、欧米のメディアにとっても一点の曇りのない昼間のように明るい話題で、さぞ扱い易かったことでしょう。でもその分味わい尽くすスピードも速いのです。


だから、やはり気になるのは「今後の事」です。”英雄はいつまでも英雄ではあり得ない”からです。世界中から祝福を受け、家族から愛をそそがれ、多くの人に希望を与えましたが、時間の経過とともに「普通の人」になってしまうのです。彼ら、特にあのリーダ格の人は少し別ですが、他の生還者はやっぱり普通の人なのではないでしょうか。ましてや一度普通の人ではなくなった「有名な普通の人」になってしまうのです。


人というのは残酷です。エゴに満ちています。感動という心の記憶を長続きさせるには途切れることなく何かを与え続けなければならず、ほとんどの人にとってそんなことはできないことです。ノーベル賞を取った人でもなければ、生還によって決定的に尊敬されるスキルを示せた訳でもないからです。あのリーダの人はその意味ではこれで普通の人ではなくなった可能性があります。


彼以外の人にとって今後の仕事のことはどうなるんだろう。手記を書いたは書いたで嫉妬もされるでしょうし、エルビスプレスりーファンであった為にメンフィスに招待される生還者の話も、世間がその余韻から覚めたときが恐ろしい気がします。


人と言うのは何と悲しい生き物なんでしょうね?





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Posted on 2010/10/17 Sun. 17:29    TB: 0    CM: 0

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